「けどよ、今までさんざ何やってもおきなかったんだぜ?しょうがねぇだろ、敦盛。」
「え……………………!?」

(敦盛って……平 敦盛!?ここはまさか………源平、の世界だとでもいうの…………!!?)

は混乱する頭を必死に働かせ、現状を少しでも理解しようとそこここに視線を彷徨わせる。


平 敦盛(だと思われる)少年は、紫の髪を結い上げ、水干に身を包んでいた。

ヒノエもなかなかに可愛らしいけれど、この子は美少女顔だな、は思った。

「……………………」
「あ、あの…………?」

敦盛は自分をじっと見つめるの視線に戸惑い、頬を赤らめながらおずおずとした口調で問い掛けてきた。

「……あぁ、ごめんね。ここどこか教えてくれないかな。」
「熊野の……熊野川。あの、あなたは………」
「えっと、初めまして。敦盛…くんと、ヒノエくん?私は、。よろしくね。」

笑顔を懸命に保ちつつ、は叫び出してしまいたい衝動を抑えていた。

なぜ神奈川の自宅にいた自分が、熊野の川辺にいるというのか。

(落ち着け。今はただ……情報を集め、現実を見据えなくちゃ…………。)

「よっし、じゃあ行こうぜ、2人とも。オヤジに叱られちまう」
「あぁ、そうだな」

うん、と子供2人は頷き合うとクイとの手を取った。

右手はヒノエが、左手は敦盛がしっかりと繋いでいる。

「えっ?ちょっ……ヒノエくん?どこに…………」
「オレの家に行くんだ。オレ達、オヤジの言いつけでをむかえにきたんだぜ?」
「熊野川に倒れているはずの女性をむかえにいけと。わたしたちと異なる衣を着ているからすぐに分かると……言われた。」

は、打合わせに出掛けた時のままの服装だった。

丈が短めのボレロと、白と茶を基調とした花柄のワンピースの格好は確かに目立つだろう。

は心の中で小さく溜め息を洩らした。

自分がこの異世界にいることが、誰によって行われたかなんて分かるはずがない。物凄く不愉快なのも確かだ。

けれど、何も分らない今、この気持ちを引き摺っているのは厄介な事は目に見えている。

それよりは、例えそれが誰かに用意された物であっても目の前に開かれた道を進むべきなのだろう。

「………ん、分った。じゃ案内お願いするね?」
「「うん!!」」


……………ま、なんとかなるだろう。今はまだ浅い思考の海に潜りながらも、彼女は楽しげに自分達のことを話す2人に微笑み返した。









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>>後書きという名の言い訳
初接触はちびヒノエ&ちび敦盛ですwww
いやぁ、きっとこの頃の敦盛って犯罪級に可愛いんでしょうねぇV
ってか私なら多分見た瞬間に誘拐しちゃってると思います笑(犯罪)
今回はキリ良く終わらせようとした結果、普段より短くなってしまいました・・・・orz
ではでは、これからもどうか「舞い踊れ、瑠璃揚羽。」の世界にお付合い下さいませ。







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